●「真贋・考」   松浦 潤氏

(ふたばらいふ新書)の書く「佐伯祐三真贋事件」


松浦潤:1951年愛知県生まれ。慶応大学卒。美濃陶磁器フェスティバルの企画・制作等、美術展を多数プロデュース。
【著書】:「唐九郎のせ界」、「やきもの真贋鑑定」


*昔から現在までのさまざまな真贋事件に関して書かれており、「佐伯祐三真贋事件」についても言及しています。

   しかし、本書は98年6月が初版であるにも関わらず、1年前に発売されている落合氏の著書に関しては
   一言も触れずに新聞等で報道された内容を贋作派に都合の良いように解釈して書かれています。
   「佐伯祐三真贋事件」に関して書かれたもので、落合氏の著書についての言及のないものは、もはや
   評価に値しない事は明白
です。そんな本ですが、一応内容を見て見ましょう。(笑)
   新聞報道に沿った考察ですから、深く突っ込んだ内容はありません。

松浦氏の記述

私のコメント

河北倫明ら市の選定委員会5人の審議により真作と選定された「モランの風景」は、すでに東京美術倶楽部が平成5年4月に贋作と鑑定されていた。
画商の阿王桂が鑑定料を1枚につき5万円支払って平成5年2月に東京美術倶楽部に依頼したが、3日後に『鑑定の一致をみなかった』との返事があり、2ヶ月後、『鑑定シールは出せない。結果もいえない』と言われたはず。鑑定の一致を見なかったはずなのに全員一致で贋作と判定したというのは不可解。鑑定料80万円も払っていながら、結果は言えないと言われていたのに突然贋作というのはおかしい。
東京美術倶楽部の贋作発表に対して河北は「偽作との鑑定については知らなかった」と困惑の表情だった、と伝えている。
河北が困惑の表情と伝えたのは、贋作派の毎日新聞(平成6年12月26日付け)、同日の読売新聞には、河北の言として「鑑定委員会は、佐伯作品がたくさん出回ると絵画市場が混乱するから、そんなことをいっているのではないか。市側は、商業的なことにわずらわされず、きちんと研究してほしい」と報道されている。
鑑定委員のメンバーは10人からなり、鑑定は各委員の○×の投票で行う。ホンモノであれば○、ニセモノと判断されれば×という札を入れる。全員が○とならなければホンモノとはされず鑑定書は発行されない。では吉薗コレクションの鑑定はどうだったのかといえば、見事に全員×だった。
上記、1と同じ。調査しないで書いているのは明らか。
(それとも故意か?)


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