鑑定結果にホッ
佐伯作品真贋論議で武生市
真贋(しんがん)論議の渦中にある寄贈作品12点のキャンパス片がすべて麻だったと27日発表した
武生市の堀江藤一郎助役は、「これですべて(贋作でない)とするほど簡単なものではない」としながらも、
一段落をクリアした自信をのぞかせた。
次は絵の具を検査
市民団体「市へ説明を求める」
   会場の市民ホール2階の特別室には報道陣が詰め掛けた。冒頭、堀江助役が「画布にテトロンなどが
含まれていると(報道で)指摘されていた、『モランの風景』など12点の(画布片)を2ヶ所で検査してもらった。
結果はなるべく早く東京美術倶楽部に報告する」と述べ、小島進二郎・市教委事務局長が結果を発表した。
   報道陣との1問1答で同助役は、「(絵以外の)佐伯祐三に関する資料もたくさん、保管しており、選定委員とも
相談しながら、検討していく」とし、次は絵の具の酸化の検査をすると説明。
   作品や資料に疑義がある、として美術評論家の朝日晃氏らから武生市長に出された要望書の取り扱いでは、
「新年度から学芸委員を配属するので、時間を置いてじっくり、検査する」と話した。
   さらに、「テトロン混入という言われ方をして、一般市民に大正・昭和初期の作品ではないとの印象を与えていた。
これだけは3月議会までに解決しておきたかった」と糸質鑑定を優先した理由を述べた。
   一方、この問題を追及してきた市民団体「武生ルネッサンス」の三木幹事は「麻だとの結果は当然出ると思って
おり、それは学者が論争すればいいこと。問題なのは、一連の過程が密室で行われ、市民がずっとかやの外
だったことだ。なぜ佐伯作品が武生に来るのか、いまだに分からないことばかり。その説明を今後も求めていきたい」
と話し、市へ公開質問状を出すことを検討している。




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